企画展「← 有田HOUEN のその先へ Fita / Rin / Hineri / Mizutama」展示レポート

KIHARA TOKYOでは、2024年3月17日(日)まで「← 有田HOUEN のその先へ  Fita / Rin / Hineri / Mizutama」を開催しています。

← 有田HOUEN のその先へ

 

← 有田HOUEN のその先へ  Fita / Rin / Hineri / Mizutama

有田HOUENは、今から約20年前にKIHARAが8人の著名デザイナーとともに立ち上げた商品開発プロジェクトです。

「水は方円の器に随う」ということわざから、器の普遍的な形をテーマとし、近藤康夫氏、橋本夕紀夫氏、川上元美氏、永井一正氏、髙橋正氏、佐藤晃一氏、小泉誠氏、吉澤美香氏らの協力のもと、斬新な商品を生み出してきました。

有田HOUENのその先へ

▲ご協力いただいた8名のデザイナーやプロジェクトの軌跡をパネルで紹介

本展では、発表から20年を区切りとし、新たなシリーズ名で独立させた商品群をご紹介しながら、改めて「有田HOUEN」の魅力をお伝えしています。

小泉誠デザインの器は「Fita(フィータ)」として新展開

Fita

メインでご案内しているのは、有田HOUENプロジェクトから生まれた小泉誠デザインの器のシリーズ。

有田HOUENといえば、白磁の白と染付の青が定番ですが、「Fita(フィータ)」として独立させた本シリーズは、既存の白磁にグレーとブラウンを加えた、3色で商品展開していきます。

Fita

▲「Fita(フィータ)」の白は、有田HOUENとして20年前にデザインされたロングセラー商品

角皿、角鉢、碗やマグカップなど、日々の生活にフィットする器たち。組み合わせたり重ねたり、収まりがよくて使いやすいデザインはそのままに、色合わせも楽しめるようになりました。

四角い器の角が丸みを帯びた優しい形状。ほんのりとしたマットな質感も特徴です。

Fita

▲カラーバリエーションが増え、組み合わせが楽しいのもFitaの魅力

有田HOUENプロジェクトの中で小泉誠デザインの器は、水玉模様のシリーズと白磁のシリーズの組み合わせを見慣れているせいか、新色含む3色での組み合わせ方に最初は戸惑いがあった販売スタッフも、白をベースに差し色としてスタイリングしたり、色違いで重ねたり、新しい使い方の提案を楽しんでいます。

粋なデザインの「Mizutama(みずたま)」

Fitaと同形状ですが、グラフィックデザイナーの佐藤晃一氏が水玉模様を施したコラボレーションのシリーズも新たな名称で独立させました。

白磁に青い水玉模様をアレンジしたグラフィックなので、シリーズ名は「Mizutama(みずたま)」。わかりやすいモチーフですが、月の満ち欠けのようにも見える粋なデザインに根強い人気があります。

▲小泉誠 × 佐藤晃一デザイン「Mizutama(みずたま)」

 

感性を刺激する「ひねりのあるデザイン」

今回の企画展で改めて注目を集めているのが、橋本夕紀夫×髙橋正デザインのシリーズです。20年前にデザインされたとは思えないほど斬新で面白いと、手に取っていただいています。

形自体にひねりを加えている商品のほか、リバーシブルになっていて裏表どちらでも使えたり、使い方を使い手に委ねるオブジェのような器があったり、「頭をひねって楽しんで使って欲しい」というデザイナーの思いをお話しすると、さらに関心を寄せていただけるシリーズです。

▲橋本夕紀夫×髙橋正デザイン「Hineri(ひねり)」

 

エッジの効いたシャープな佇まいの「Rin(りん)」

凛とした透明感のある白と、 余白を生かした青いストライプ柄がモダンな川上元美×永井一正デザインの器は「Rin(りん)」と名付けました。有田焼特有の美しい白磁と染付の青を生かした有田HOUENらしさを色濃く反映した代表的なシリーズです。

今回このシリーズを初めて見たというお客様も、20年を経ても古びない繊細な美しさに驚かれていました。

▲川上元美×永井一正デザイン「Rin(りん)」

2004年から2011年にかけてシリーズ商品を発表し、長らく販売を続けてきた「有田HOUEN」ですが、この20年の間に廃番になった商品もあり、シリーズの全体像をお伝えすることが難しくなっています。

有田HOUEN

▲近藤康夫×吉澤美香デザインのシリーズは在庫限りで販売終了

節目として企画した本展では、プロジェクトを発表した当時の展示会の様子や、軌跡をたどる年表などのパネル展示を通して「有田HOUEN」のこれまでをご覧いただきながら、これからへとつなぐ「有田HOUEN」のエッセンスを感じていただければ嬉しいです。

(関連記事)
プロジェクト事例|8人のデザイナーが魅せた器の世界
https://e-kihara.co.jp/project/arita-houen/

有田HOUENのその先へ

 

企画展は、3月17日(日) までの開催です。ぜひお立ち寄りください。


KIHARA TOKYO企画展
← 有田HOUEN のその先へ
Fita / Rin / Hineri / Mizutama

会期:2024年2月10日(土)~3月17日(日) 11:00-19:00
   月曜定休(月曜日が祝日の場合は営業、翌日の火曜日が休み)
会場:KIHARA TOKYO 3F 東京都渋谷区富ヶ谷1-14-11 入場無料