企画展「Stig Lindberg × KIHARA」展示レポート
KIHARA TOKYO では2025年11月24日(月)まで企画展「Stig Lindberg × KIHARA」を開催しています。

Stig Lindberg × KIHARA
Stig Lindberg スティグ・リンドベリ (1916-1982)は、 陶磁器を中心にテキスタイルやガラス、挿絵、工業製品など、多方面で才能を発揮した20世紀の北欧デザインを代表するスウェーデンの陶芸家です。KIHARAは今回 Stig Lindberg デザインとのコラボレーション商品を開発しました。
会場ではリンドベリが手がけたファブリックやイラストなど、多彩な活動と照らし合わせながら、1960-70年代のデザインとの現在の有田焼・波佐見焼の職人技が融合した器の数々をご覧いただいています。
植物標本のようなテキスタイルパターン《HERBARIUM》

▲《HERBARIUM》大皿 / 取皿 / 豆皿
1940年代に数多くのテキスタイルデザインを手がけたリンドベリ。
今回の企画展では、器の図案の元になったファブリックと一緒に展示し、見比べていただけるよう構成しています。
植物柄に潜む、ユニークな顔を探すのも楽しい《Grazia》

▲《Grazia》大皿 / 取皿 / 豆皿
《Grazia》も《HERBARIUM》と同様、テキスタイルデザインを元に製作した器です。繊細な植物柄の中に、花飾りをした人や泣いている人、眠っている人などの顔が潜んでいるユニークなパターンであることをお伝えすると、どこに顔の柄があるのか探してくださったり、ファブリックと器を見比べて展示を楽しんでいただいています。
細かな模様なので「盛り付けるお料理を邪魔せず、使いやすそう」と器としても好印象のようです。
一番人気はユニークなキャラクターの《Daniel Doppsko》

▲『Daniel Doppsko(びしょぬれ靴のダニエル)』の挿絵とともに展示
スウェーデンの児童書『Daniel Doppsko(びしょぬれ靴のダニエル)』の挿絵も手がけるなど多才なスティグ・リンドベリ。
KIHARAでは湯呑や飯碗、豆角鉢など、素朴な表情の器に、味わい深いキャラクターを写し取り、物語の世界観を楽しめるシリーズに仕上げています。
ストーリーを知らなくても「かわいい」と手に取りたくなる魅力に溢れたイラストです。
カラフルなマグカップ《tallyho》

▲リンゴのような丸い形が並んだ《tallyho》は1961年のデザイン
今回のコレクションではリンドベリのデザインをマグカップとして商品化したシリーズも多く《tallyho》もそのひとつ。当時オフィス用のカーテンとしてデザインされたテキスタイルパターンを元にカラフルなマグに仕上げました。
60年代の図案が復活!北欧の空気感をまとった《Blues》

▲メラミンから磁器へと素材を変え、新たな形状で展開する《Blues》
1960年代にメラミン食器として展開された青い花模様《Blues》と、オレンジの花模様《Balett》の図案を、KIHARAでは磁器の食器として復活。
北欧らしさを感じていただける仕上がりになったのではないでしょうか?
レトロなオレンジの花柄がひときわ目を引く《Balett》

▲小泉誠「SITAKU」シリーズの形状にリンドベリの図案を施した《Balett》
▲カップ&ソーサーとマグカップは《Blues》と同形状
KIHARA TOKYOにご来店いただくお客様は海外の方も多く、《Blues》や《Balett》のレトロな花模様が「70年代っぽくてかわいい」とのお声をいただいています。《Balett》は食卓小物のアイテム展開ということもあり、海外の方には珍しいようで、薬味入れやしょうゆ差しをまとめ買いされるケースも!
機能的かつ美しい日用品を提案する小泉誠デザインのSITAKUシリーズの器にリンドベリのグラフィックがマッチし、日本人にとっても昭和レトロのような懐かしさを感じさせるコレクションになりました。
スティグ・リンドベリが描いた幻の《長くつ下のピッピ》

▲長らく未発表だった「ピッピ」のスケッチを用いた貴重なコレクション
リンドベリデザインのコレクションで、どうして『長くつ下のピッピ』?と思った方もいらっしゃるかもしれません。実はピッピの作者の児童文学作家アストリッド・リンドグレーンとスティグ・リンドベリには交流があり、これは同時期に活躍した二人の出会いから生まれた特別なコレクションなんです。
1968年、リンドベリがリンドグレーンに『長くつ下のピッピ』の登場人物のスケッチを描き贈っていたことは長らく知られていませんでした。その貴重な未発表作品をマグカップでお楽しみいただける話題性のある商品です。※スケッチの実物は、今夏から2027年にかけて各地の美術館などを巡回している「20世紀北欧デザインの巨匠 スティグ・リンドベリ展」でも紹介されています。

リンドベリの多彩な活動とKIHARAの器とのコラボレーションをご紹介している今回の企画展「Stig Lindberg × KIHARA」もいよいよ11月24日(月)までとなりました。ぜひお見逃しなくご来店ください。

KIHARA TOKYO企画展「Stig Lindberg × KIHARA」
会期:2025年10月18日(土)~11月24日(月) 11:00-19:00
月曜定休(11月3日および24日は営業、翌日の火曜日が休み)
会場:KIHARA TOKYO 3F 東京都渋谷区富ヶ谷1-14-11 入場無料
