
有田焼は、「初期伊万里様式」「柿右衛門様式」「鍋島様式」「古伊万里様式」と4つの代表的な様式に分類され、これらの様式を表現するには、いくつか守らなければならない決まりごとがあります。
この限られた条件の中で新たな有田焼の創出に挑んだのが、有田HOUENサーフェスデザイナー「永井一正」「佐藤晃一」「吉澤美香」「髙橋正」の4人です。
伝統の四様式とデザインを掛け合わせ、新と旧を融合させたのが、「有田四様」です。
初期の古伊万里のことで、有田焼が始まった1610年代~1650年頃までの作品をいう。
日本独自のスタイルを求めて試行錯誤を繰り返していた時期であるため、完成期にはみられない初々しさや大胆さがある。
落ち着いた色調、自由で勢いのある筆致、温かみのある生地肌などが特徴。
染付吹墨鷺文皿 佐賀県立九州陶磁文化館 所蔵(柴田夫婦コレクション)
私が担当したのは「初期伊万里様式」で、17世紀前半の有田焼の最も古く素朴なものである。
そのボッテリと暖かみのある地肌の風合いは磁器としては今日見られないものでもあり、染付による文様はどうしても現代のものにならざるを得ないので、ぜひ肌合いを再現したいと何度もテストをしてもらった。
しかし今日の生産ラインの中では昔の登り窯と同じ味はやはり無理、という結果になった。なかなかむずかしいものである。
9733
大鉢 星紋
¥18,900
φ30 H8cm
9674
取皿 星紋
¥2,625
φ15.5 H3cm
9735
そば猪口 星紋
¥2,625
φ9.5 H6.5cm
9736
大鉢 雨紋
¥18,900
φ30 H8cm
9737
取皿 雨紋
¥2,625
φ15.5 H3cm
9738
そば猪口 雨紋
¥2,625
φ9.5 H6.5cm
赤を基調とする優美な色彩が特徴。この色彩を最大限に引き出しているのは、
濁手とよばれる温かみのある乳白色の生地があるからこそである。
余白を生かした非対称の日本画風の構図は日本独自のスタイルだといえる。
染付けはなく、口縁に錆、上絵の赤、黄、緑、青、一部に金、まれに紫が使われている。
色絵唐獅子牡丹文十角皿 佐賀県立九州陶磁文化館 所蔵(佐賀県重要文化財)
「光、風、稲妻」という自然界のエネルギーをモチーフにしました。
いま私たちが柿右衛門とよんでいる伝統的な様式は、いろんな社会情勢の巡り合わせを背景に、17世紀後半の20年ほどというごく短い期間に確立されたテクニックだったということであり、そこに強い時代のうねりとエネルギーを感じます。
そしてその様式とは、青や緑の部分の縁取りは黒、赤の部分の縁取りは濃赤、といったそれほど複雑ではないいくつかの決まり事によるもので、それを踏襲すれば、なんと、それらしくなるのでありました。独特なのにこんなにシンプルであることがかっこいい。
9727
大皿 光紋(赤)
¥15,750
φ29.5 H3cm
9728
取皿 風紋
¥2,100
φ15 H3cm
9729
そば猪口 風紋
¥2,100
φ8.5 H6.5cm
9730
大皿 光紋(緑)
¥15,750
φ29.5 H3cm
9731
取皿 稲妻紋
¥2,100
φ15 H3cm
9732
そば猪口 稲妻紋
¥2,100
φ8.5 H6.5cm
幅広の高台からしなやかにのびる流麗なライン。
精緻を極め一線一画さえもおろそかにしない絵付け。
計算しつくされた緻密な紋様。佐賀鍋島藩の技術の粋を集めた様式美の極みである。
染付のみで構成されているものを「藍鍋島」染付と上絵の赤、黄、緑の三色を基調としたものを「色鍋島」という。
色絵三瓢文皿 佐賀県立九州陶磁文化館 所蔵
現代の生活イメージを語る時、様式を踏襲することが何に結びつくのか。
膨大な有田焼の名品を目の当たりにするにつけ、複雑な思いが過った。心掛けたのは、先達に学び、幾らかでも新鮮な切り口があれば挑戦すること。
様式を形作る高台、凛と立ち上がる皿側面は力強く、空飛び交うツバメ、水面漂う椿をイメージした。色彩は鮮やかな色絵のそれよりも、少し渋めとなった。
食材と相俟って、豊かな空間が生まれることを願うのみである。
9739
大皿 つばめ紋
¥26,250
φ30 H7cm
9740
取皿 つばめ紋
¥4,200
φ15 H3cm
9741
そば猪口 つばめ紋
¥3,150
φ7.5 H6.5cm
9742
大皿 椿紋
¥31,500
φ30 H7cm
9743
取皿 椿紋
¥4,725
φ15 H3cm
9744
そば猪口 椿紋
¥3,150
φ7.5 H6.5cm
海外向けと国内向けの二つの顔をもつ。海外向けは17~18世紀ヨーロッパで愛好されたバロック・ロココの美と色絵磁器が融合し、洋風化、様式化された紋様と色使いが特徴。
国内向けは絢爛豪華な元禄時代を反映し、金彩と赤絵など多彩な顔料を用い、空間をすべて紋様で埋め尽くすような、濃厚なものが多い。
色絵鷹菊唐草文大皿 佐賀県立九州陶磁文化館 所蔵(柴田夫婦コレクション)
このシリーズは、伊万里・有田の系譜のひとつである金襴手古伊万里様式を踏まえながら、現代の焼物を製作するという試みだ
この様式はその名が示す通り金彩を使い絢爛豪華で江戸元禄のルネッサンスを彩った、バロック・ロココ的な焼物である。日本には「侘び」「寂び」といった簡素な美と、歌舞伎のような豪華絢爛な世界がある。
この対照的な存在が日本の美の広さであると思う。近代デザインは過剰な美を排除してきたが、私は日本が元来もってきた絢爛としたエネルギーをデザインのなかに生かそうとしてきた。
様式を伝承しながらも現代の生活の中で調和しながら息づくデザインを考えてみた。